米銀シティTwitterを活用                            2011.02.02

 流通業界ではTwitterを活用したリアルタイムマーケティングが行われているが、金融機関でもTwitterが活用され始めた。(以下American Bankerより編集)

 

Twitterは、銀行が他のチャネルよりも幅広い観客にリーチできるツールである。Twitterはもともとマイクロブログのツールであり、顧客サービスのツールではない。そのため、顧客サービスにTwitterを使用するには、その不備を補う必要がある。

 

 シティは成熟したチャネルである支店やコールセンターにスピードをもたらすために、新しいテクノロジーを展開し始めた。それはコミューケーションのニューウエイブに対応するためであり、究極の目標は、支店と同じように、"顧客との親密な関係を構築すること”である。

 

 シティはCoTweet(注1)と呼ばれるプラットフォームを使用している。これはTwitterのようなソーシャル・メディア用に設計されたワークフロー管理ツールで、顧客との会話をトラッキングし、またマーケティング・キャンペーンを管理し、より良い顧客サービスを提供することを狙いとしている。そして、顧客からの苦情やTwitterでの質問を処理するために100人の顧客サービス担当者を設けている。一方でシティは顧客をソーシャル・メディアから電話やe-mailを使って銀行にアクセスするように誘導しようとしている。そのために、顧客に対しTwitterからセキュリティが強化されたチャネルにシフトする技術を開発している。

 

 今まで銀行がe-mail等のチャネルにはセキュリティ・リスクがあると警告しており、フィッシンの可能性のあるリンクはクリックしないようにと、顧客に説明してきた。しかしTwitterを活用したアプローチは、これまでの説明と矛盾し、このことを顧客に説明する必要がある。アナリストの中には、「シティのソーシャル・メディアへの取り組みは賞賛に値するが、やりすぎかもしれない」と言ものもある。それは75%の消費者はソーシャル・メディアを使った銀行とのコンタクトには否定的だからだ。アナリストはさらに言う。「ソーシャル・メディアがバンキング・ビジネスと連携するには、まだ大きなハードルがある」と。

 

日本の金融機関への適用について

日本の金融機関がTwitterをチャネルの一つとして検討するポイントを挙げる。

 

① 顧客セグメント

 Twitterのユーザーは若い顧客層が多いと推測できるため、金融機関にとっては新しい顧客セグメントにアプローチできるツールと成り得る可能性がある。

 

② 商品・サービス

 Twitterはチャットのようにリアルタイムコミュニケーションツールである。この特性を生かすには、時限性のあるサービスや商品を提供し、他のチャネルとの差別化を図ることが望ましい。例えば、「本日20:00~2100まで、外為手数料半額の10銭」等で、‘今だけ’のアプローチができ、24時間マーケティングが可能になる。

 

③金融機関と顧客の関係が1対Nであることの活用

 金融機関と顧客は1対1の関係からスタートするが、その顧客にフォロワー(注2)がいると、その顧客が何十人、何十万人に推奨することになり、一つの広告が顧客を通じて、何十万の顧客に増幅される可能性がある。フォロワーは当該顧客に好意的なため、金融機関がダイレクトにコンタクトするよりも、より大きな効果が期待できる。反面、顧客がネガティブな印象を持つと、フォロワーにも伝播するため、マイナス効果が増幅される懸念がある。

 

 このように、Twitterはe-mailと異なり、非常にオープンなチャネルである。この特性を認識してマーケティングを考えることが重要である。

 

(注1) CoTweet

米国Exact Target社の製品。米国では大手企業コカコーラやデルタ航空等が採用している。日本でも販売されている。

(注2) フォロワー

Twitterを行っている人をフォローする人。フォローする人が誰をフォローするかを決めることができる。

出展 American Banker 2011.01.07

 

KK

2019.09.12 更新
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