今年度2回目の「AI&FinTech先進技術勉強会」が5月20日にNPO会員20名弱が参加し八丁堀ハイテクセンター会議室で開催されました。今回は「大規模バッチシステム開発の効率化・生産性向上」というテーマでAIやFinTech分野に限らず大規模顧客を対象とする金融システム開発では必須となるバッチシステムの生産性向上・効率化に焦点を当ててみました。
勉強会の講師には、過去に大手金融機関で実際の勘定系バッチシステムの開発や情報システム構築・運用の経験を持つ株式会社インテリジェントモデルの代表取締役小林佳文氏にお願いし、同社が持つバッチシステム開発用ソリューション「ODIP」について話していただきました。
「ODIP」では大規模バッチシステムの問題点の中で特に「昭和に作ったバッチがそのまま」、「誰も触れられないバッチ」などの属人化の問題に大きく焦点を当てています。具体的な方策としては、「情報システムの見える化」に着目、情報のビジネスルールをテーブル方式で定義。また、バッチシステムの入出力や加工定義をリポジトリに登録一元化、必要に応じて業務を横断して共通化された処理フローを構成させるなどの機能があります。
講義の中ではソリューションの概要とともに「ODIP」を実際に使い「店別のクロス集計表の出力」のサンプル処理をデモで紹介。「出力単位」としては支店番号単位を、「入力」としては使用する入力テーブル、属性、ソート内容、入力テーブル間リレーションを定義、「加工方法」としては『月中残高積数』、『月中受入金額』、・・・、『平均残高』を、「出力」としてレイアウト定義などを画面を使って紹介されました。どのようなバッチシステムでも「ODIP」でほとんど対応可能とのことです。
参加者からは「競合ツールはどのようなものが?」、「ETLツールとの関係は?」、「バッチJOBのコントロール機能は?」、「アブノーマルチェックの対応は?」、「パフォーマンスのチューニングは?」、「バージョン管理機能は?」、「従来のデータ管理機能とリポジトリとの関係は?」、「中間にSIerが入った場合の契約方式は?」など多くの質問がありました。